2012年03月15日

構造設計1

無理なデザインをすると、構造的に成り立たない事があります。
格好の良い家にこしたことはありませんが、デザインばかりを優先してしまい、構造体に無理が生じてしまうのは怖いですね。
しかし、壁の中に隠れてしまう構造体。
どこにどのような無理が生じてしまうのでしょうか。
具体的に構造パーツ一つ一つについて構造計算を行ってみれば、簡単に発見することができます。


多くは梁の大きさが足りない、必要な部分に壁や柱がない、梁を飛ばしすぎている、梁の組み方に無理がある、荷重が屋根から柱、床、そして梁へと流れていく過程において、予想外の重さが加わっている、などが挙げられるでしょうか。
これらを構造計算により見極めながら、構造設計を進めていきます。



実際の計算時には、このように3Dにてシミュレーションを行い、建物をコンピュータの中で回転させながら、上下左右からきちんと納まっているかを確かめながら設計を進めていきます。



緑の箇所の荷重によって、赤の梁の大きさが算出されていることが、この画像から読みとれます。



構造計算と3Dシミュレーションを行うことにより、意匠的にも建物の構造バランスを確認することができます。
ここにこんなに大きな梁が来てしまうと、天井に露出してしまうので良くないな、
この柱には小さな荷重しか掛かっていないから取り除く事ができるな、
等のデザインに関わる変更を、構造計算を行いながら視覚的に且つリアルタイムに確認していきます。


CAD(キャド:Computer Aided Design)技術の発達により、設計はより安全に、確実になってきています。 このような3Dの絵を見ていただくことにより、お客様にとっても、構造的な説明もより理解しやすく感じられると思うのです。


さて、構造検討の終わったこの家も揺らしてみましょう。



X方向、Y方向、ともにしっかりと耐力壁が揺れに抵抗し、全く歪むことなく耐えてくれていますね。 安心は技術の積み重ねの上に成り立つものなのです。
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posted by sp1 at 00:30| 構造設計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月07日

長期優良住宅2

住宅の性能を分かり易く表示できないかという観点から、
「住宅性能表示制度」といわれる評価方法が、
「住宅の品質確保の促進に関する法律」という法律と共に平成12年に確立されました。

みなさんが住宅を購入する際に、どれくらいの性能の家なのかを判断する材料として、
各性能を等級分けして表示しようというものです。

長期優良住宅も、性能表示住宅も、同じ項目に於いて、等級を決めながら設計を行います。

その項目が、以下の10項目。

chouki.jpg

(耐震と構造は同項目)

これだけの事柄について、各部の性能を上げて行くよう計算やシミュレーションを繰り返しながら設計をして行きます。

木造住宅と言えども、経験や感性だけに頼るのではなく、数値化した根拠を表すことにより、安心を得る訳です。

これらの等級は、第三機関により設計審査と現場検査を経て、住宅性能評価証として発行され、証明されるものです。 申請は任意ですので、全棟に対してというものではありません。 建築基準法の基準はこの長期の基準に比べると低いですし、それ以上に、10もの項目をチェックしているわけではありません。 長期優良住宅や住宅性能評価に基づいた設計を行っている家は、見えないところにこだわった家であるからこその性能を備えている家になるのです。

現在の所、申請を行い認可を受けた長期優良住宅の場合は、ローンや税制面での優遇を受けることができます。
posted by sp1 at 23:38| 性能設計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月04日

長期優良住宅1

「長期優良住宅」 ってご存じでしょうか?

平成21年に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」という法律ができました。

国を挙げて、長く使える良質な住宅をつくり、住宅も財産として世代を超えて循環させる社会をつくりましょう。 短寿命による建て替えを減らせば、環境負担も減り、中古住宅のビジネスも生まれ、個人にとっては資産にもなる。 親が家を建てれば、子はその家に住む。 住宅ローンに苦しめられる人も減り、豊かな生活を送ることが出来る。

長期優良住宅は、そんなヨーロッパのような豊かな住宅を取り巻く環境をつくろう、と国が立ち上げた施策なのです。


今まで日本に普及してきた多くの家は、30年がその寿命でした。 単に痛んでくるという事ではなく、実際に日本での平均建て替え年数がたったの30年なのです。 まるで使い捨てです。

こんな社会ではダメだ、と国も考えたわけです。 せめて100年。 出来れば200年保つ住宅を普及させよう、と。




200年保つ木造住宅を、高温多湿の日本で造るには、それ相応の技術力が必要です。
ある記事にこうありました。

全国七万社を数える地域密着型工務店。
しかし長期優良住宅の実績を持つのは、その10%以下の五千社に過ぎません。
その中で、完成保証制度を導入することが出来る優良工務店は、さらにその10%。
しっかりした中の1%の工務店を探しましょう。
その中に、あなたの家づくりの答えがあります。
だそうです。




それくらい難しい基準を設けてある家づくりの方法なのです。
技術的のみならず、経済的にも健全な経営が証明出来なければ、100年に渡る維持管理・メンテナンスの約束など出来るはずがありません。

さて、この長期優良住宅の中に、先導型と呼ばれる、先陣を切ってこの業界を引っ張っていこうという、長期の更に上をいくタイプのモデルがあります。 長期優良が始まった初期、通常100万の補助金がこのタイプはなんと200万。 別格のモデルで、どのような家づくりかの審査内容も非常に厳しいものでした。



昨年、「無垢の家」で先導型モデルをつくる機会がありました。

この200年住宅と呼ばれる、先導型長期優良住宅の家づくりの中身を知ることにより、これからの家づくりのヒントを探って頂ければと思っています。

今の家づくりには、「長期優良住宅」、「トップランナー基準」、「次世代省エネ基準」等々、様々な性能の表し方があり、これらの基準にはとても混乱させられてしまいます。 家を構成している各部分の性能を、それぞれ分解して理解して行くことにより、理解も増すのではないかと思っています。

良い家をつくりましょう。
posted by sp1 at 00:32| 性能設計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする